医療系 第6回 「手術看護師時代の話②」
・4、5年目
新人教育を任される時期です。人に教えるのは慣れておらず、
後輩の面倒を見ながら、自分の業務をこなすのはかなりのプレッシャーでした。
そんな頃にCE(ME)という職業に興味を持ちました。
興味を持ったエピソードを紹介します
エピソード①
心臓手術では心臓を止めて手術を行わなければならないため、手術中は人工心肺装置に生命維持を預けます。
人工心肺装置を初めて見た時は、何もわかりませんでした。
たくさんのローラーポンプが付いていたのはよく覚えています。
心臓手術の時の方に色々教えてもらえました。
あまりに専門性が高かったので、面白そうだなと思いました。
エピソード②
ペースメーカは聞いたことがある人がほとんどだと思います。
刺激伝導系の洞結節が本来の「ペースメーカ」です。
止まることなく、心拍を刻みます。
しかし、そのペースメーカの機能が落ちたり、電気刺激の道が途絶えたりすることでこの機能が維持できない疾患があります。
その場合、人工のペースメーカを植え込みます。
DDD、DDIなどの設定があり、プログラマにて設定します。
手術では電気メスを使用するため、ノイズが入る可能性があるため、干渉しない設定します。
これも臨床工学技士が行います。
手術前に来て、麻酔科医と話しながら設定する技士に
「技士はいろんなことができるな」
と思いました。
エピソード③
整形外科の手術で斜角筋ブロックを行い、呼吸筋の抑制が起きた症例がありました。
麻酔科医をすぐに呼び、NPPVが必要だと言われ、使用しました。
当時は「え、人工呼吸器なんて初めてみる!」という気持ちでよくわかりませんでした。
技士が手術室に持ってきてくれました。
「こういう機械(人工呼吸器)も技士が管理するんだな」と思いました。
エピソード④
「ダヴィンチ」を古巣で導入するときに技士の方々が尽力してくれました。
後々は看護師だけで管理できるようになりました。
上記のように当時は技士と接する場面がたくさんありました。
技士との関わりの中で私は、
「臨床工学技士の知識や技術を持った看護師がいれば最強じゃね?」
と思いました。
これなら自分が医療により参加でき、医療職から信頼される人材になれると思い、
臨床工学技士になることを決意しました。
Q&A
Q.なんで退職してまで臨床工学技士なる決意をできたのか?
A.手術室看護師5年目になり、ほぼすべての手術に従事することができました。
手術室看護師のキャリアをどうするか考えていた時期で、今後のキャリアを考えていました。
まだ当時26歳であり、臨床工学技士で3年目になっても30歳のため、
また看護師に戻ってもキャリアを積める年齢だったことも大きいです。
まだ結婚していなかったのも、無茶ができた理由の一つです。
3Cはいつも心にあります。
Chance
Challenge
Change
変わるチャンスを見つけ、挑戦し、変えていく。
何歳になっても大切です。
katsuyablack